選考を受ける「真の意味」とは?
目次
皆さんが就職活動を始めてみると、エントリーシート(ES)や
グループディスカッション(GD)、面接…など、様々な「選考」に直面すると思います。
しかし、その1回1回の選考は、ただ企業から見極められるためだけにあるのでしょうか?
今回は、「選考を受ける意味って?」という観点から、就職活動をとらえてみましょう!
そもそも選考では何を見られているのか
端的に言うと、就職活動で見極められていることは総じて「能力」と「性格」です。
どのような選考であっても、人事や採用担当者が見ているのは「どんな力をもっているか」と「どんな人柄か」という点です。
ただ各種選考でその判断方法や特性があるというだけです。
それらを大きく分類するのであれば、
①見極める特性が「集団における特性」か「個人における特性」か
②見極める観点が「過去経験」か「その場のパフォーマンス」か
の2軸に分けることができます。
集団における特性で言えば、自分の「タイプ」だとイメージしやいのではないでしょうか。
例えば、明るく元気なコミュニケーションで周囲を巻き込めるタイプ、ロジカルな思考力と推進力で引っ張っていくリーダータイプ、
常に客観的な視点でチームを冷静にまとめるタイプなど、集団や組織に属した際にどんな力を発揮出来るのかを見極めます。
一方で個人における特性は、単純なIQ・EQと呼ばれる知力や、
本人が独自に持つ価値観・こだわりを指します。
各種選考を具体的に分けると、このようになります。
面接や適性検査は、個人の「特性」や「価値観」をもとに見極められている一方で、
GDは、議論内(集団内)でどんなパフォーマンスを発揮するのかを、その場で確認していると言えます。
GDのテーマによっては過去経験を類推させることもあるので、「これまでの経験を聞かれている」と感じたら間接的な見極めをされていると考えるといいでしょう。
ちなみに、エントリーシート(ES)は、過去経験から個人の価値観や集団でのパフォーマンスを簡易的に見極める役割を持っています。
さて、このように各種選考はそれぞれの役割がありますが、 冒頭でもお伝えした通り、共通して「能力」と「性格」を見極められていると言えます。
選考で得られる3つのコト
上記も踏まえると、なおさら「見極め」や「選考突破」といった言葉からも、企業を「選ばれること」をイメージすることが多いのではないでしょうか?
しかし実は、そういった「選ばれる」だけではなく、皆さんが企業を「選ぶ」機会でもあるのです!
企業を知り魅力を知る機会でもあり、そこで得られる気づきから、「自分が大事にしたいことを再確認できる場」でもあります。
そこで今回は、「選ばれる」だけではなく、「選ぶ」の観点でインターンシップや選考を捉えてみましょう!
得られるコト①:『企業』のコト
まず1つ目は、当たり前ですが、その「企業」の情報がわかります。
例えば、会社説明会では、企業理念・戦略、今後の展望などの『目標の魅力』や
実際の事業や業務などお「活動の魅力」が主に知ることができるでしょう。
上記に加えて働き方や採用情報、オフィスの案内などがあれば、『制度・待遇の魅力』も。
社員座談会やインターンシップで社員が参加している場合は、社風・社員の雰囲気など『人材の魅力』が強く感じられますね。 また、面接などでも社員の考え方やコミュニケーションのスタイルなどを知ることは可能です。
ESにもその会社独自の質問があれば、そこから「大事にしている価値観」を見て取れることもあります。
このように、様々な観点における魅力や情報を獲得することができます。
得られるコト②:『他者』のコト
2つ目は、インターンシップや集団面接で出会う「他の就活生」からの情報です。 単に他の就活生から「あの会社いいらいしいよ」といった情報をもらうと言うことではなく、
彼/彼女らの考え方や価値観を知る中で、自分の価値観などとの『差異』に出会えます。
インターンシップであれば、グループワーク中のリーダーシップの発揮の仕方や、 思考プロセスに違いを感じることができるでしょう。 また、集団面接であれば「ガクチカ」の内容から「どんな基準で何に頑張っているのか」や、
自分の「やりたい/やるべき/できると思うこと」のとらえ方に違いを感じることもできます。 さらには、同じような経験をしている中でも、そこに対する捉え方や取り組み方が違うこともあります。
思考のプロセスやリーダーシップの発揮の仕方にも、自分の課題との相対化ができることもありますし、強みや弱みを見つけることもできます。
つまりは、他者からの情報により、自分と相対化をするチャンスにもなるのです。 「差異」に気づき「相対化」することで、自己理解にもつながります。
得られるコト③:『自分』のコト
3つ目は、そこで得た企業の情報や他者の情報を踏まえた、「自己理解」です。
企業からの情報を得たときに『いいな!』『共感できるな!』と感じることもあれば、 『なんかちがう』『ここがひっかかる』とネガティブな感覚になることもあるのではないでしょうか。
その感覚に「なぜ?」と問うことで、「企業選びの軸」や「業界選び」に広さや深さを加えることができます。
例えば、まだそこまで軸が決まっていない・抽象度が高いとき。 「理念に共感できるな」くらいの感覚で参加したインターンシップで、 「なんか違うな」と感じた場合に、
その「なぜ?」が「理念と事業がマッチしている度合いが想像より弱かった」ことだとすると、 「理念を企業のビジネスモデルが体現しているかどうか」が重要な軸になりうるかもしれない、とも言えます。
逆に興味のない業界であっても、参加してみたら「意外といいかも?」と思った時。 その「なぜ?」が「業界ごとでの価値発揮の対象が違うだけで、価値の届け方は同じであることに気づいたから」、かもしれません。
もしくは、自分の軸の1つである「熱意をもって仕事に取り組める仲間がいるか」という点に マッチしていると感じられたのであれば、軸の中での優先順位が高い可能性があります。
このように軸がいい意味で広げたり深めたりすることができます。また、他者からの情報で自己理解が深まります。
自己理解=「自分のオンリーワン性」を知ることと言えます。 そのためには、「他者じゃなく、自分だからこそ」が大事になる上では「相対化」が重要になり、 その「相対化」をするチャンスでもあるのが、選考です。
このように、企業・社会理解の場としてだけでなく、他の就活生との相対化が図れることで「自己理解」の場とも捉えられるのです。
選考を受ける意味とは?
上記のように、各種選考では多角的な情報に多く触れることができます。
つまり、選考では自己理解・社会理解の双方の機会が得られると言えるのではないでしょうか。
自己理解・社会理解の接続ができる会社であればあるほど、働きがいの強い会社である可能性が高まります。
もちろん初めての会社説明会だけですべてがわかるわけではないので、 OB/OG訪問や座談会などを活用しながら、網羅的に情報を集めることが重要です。
そこに加えて、自分自身でも自己理解が完璧と思いすぎず、都度振り返ることで次に参加するときに変化を持たせることも重要になります。
毎回の企業との接点の中で、自己理解と社会理解の双方を行き来することができれば、
時間を有意義に使えるだけでなく、キャリア選びのヒントが得られるともいえるでしょう。
その観点でいえば、「選ばれる」だけでなく「選ぶ」という行為の両翼で進めることが重要になってきます。
「選ぶ」と「選ばれる」の双方を大切に
さて、今回は「選考を受ける意味」についてお伝えしてきました。 ただ企業を知るための時間として捉えるのではなく、
自己理解深めることのできる時間として捉えてみることで、1時間や2時間ほどのイベントであっても「濃さ」が変わってきます。
選考過程は一見「選ばれる」ための活動に思えるかもしれませんが、 皆さんの大事なこれからの人生を豊かにするための手段の選択をする上での重要な期間でもあります。
だからこそ、自己と企業(社会)を接続させることが大切になります。 「選ばれる」だけでなく、「選ぶ」という双方の観点をもって取り組んでみてはいかがでしょうか。
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