自己分析の目的とは?

自己分析の目的とは?

就職活動をする中でも「自己分析が大事だ」とよく言われますが、そもそも「自己分析はなぜ大事で、何を目的にするのか?」 を問われたら、どう答えますか?

意外と難しいですよね。

自己分析をする前の前提として知っておいてほしいことを 本記事では紹介させていただきます。

自己分析の罠

早速質問からですが、 「自己分析を何のためにするのか?」と問われたらなんて答えますか?

「就職活動の軸を決めるため」「自分の強みを見つけるため」 「社会でやりたいことを見つけるため」「入社先を決めるため」 などが出るかと思います。どれも正解です。

ただ、自己分析を何のためにやるのか?(WHY)よりも、 何を明らかにするためにするのか?(WHAT)が先行し、 それよりもどのようにやるのか?(HOW)が先行してしまっていると

多くの学生さんの話を聞いて思っています。

インターンシップなどで3C分析、SWOT分析などをする中で ふとそれらのフレームを埋めることに満足してしまい、何のためにこれしているんだっけ? となった経験もある方も多いのではないでしょうか?

分析をする際は常にWHY、WHATを明確にしてからHOWを選ぶということをしないと、 分析自体の目的化が起きてしまいます。

 

自己分析に限らず分析を行う際は、目的を考えることが重要です。 これは自己分析に関わらずですが、 分析手法(HOW)の情報が世の中にあふれかえってしまっているがゆえの事象です。

目的の設定から手法を選ぶ流れを企業分析を例に考えてみましょう。 3CやSWOT分析が有名ですが、何を明らかにするために行うかで言うと 自社の強み/成功要因を明らかにするために行います。

これだけだと3C分析でもSWOT分析でも分析可能ではありますが、 その理由として顧客ニーズ起点での戦略方針を決めたいのか、 現状の外部環境の変化に合わせた戦略方針を決めたいのかで使い分けます。

 

 

ここで伝えたいポイントは、

・分析とは、基本的には何かを「決める」ために情報を構造的に整理する行いである

・WHYによって最適なHOWは変わる

の2点です。

特に前者の分析は、何かを意思決定するために行うという前提は大切にしてほしい考え方です。

自己分析の目的を考える

さて、それではいよいよ自己分析は、「何を決める」ために行うのか?を考えていきましょう。

 

 

例えば意思決定マトリクスやモチベーション曲線(自分史)と言ったものが 自己分析手法としてあります。

このようにともに企業や仕事に求める基準を明確にするものとして活用ができます。 ただ、意思決定マトリクスはどちらかというと企業に対して抱いた印象の比重が大きい分析方法なので、

どちらかというと社会や労働に対する価値観を活かした意思決定をすることに適した分析手法です。

一方モチベーション曲線(自分史)は、自分の過去経験の比重が大きい分析方法なので、 どちらかというと自分の過去から一貫する価値観を活かした意思決定をすることに適した分析手法です。

 

同じこと(WHAT)を明らかにするにしてもその背景として何を大事にしたいのか? という部分によって手段は変わります。この目的も一つの例でしかありません。

例えば今この例は「就職活動における自己分析」を前提にしていますが、 サークル活動や部活動における自己分析だとどうでしょうか?

意思決定マトリクスは、組織貢献をする方針を決めるとすると、 施策ごとに対してどんなことを感じているのかを整理する中で自分の組織や活動で大事にしたいことが 見えてくるでしょうし、モチベーション曲線は、過去の組織貢献のあり方などを振り返ることで、 自分だからこそできる組織貢献の方針が決められると思います。

 

このように目的の置き所によって同じフレームでも全然効果や着眼点が変わりますので、 是非自己分析する際にはWHY・WHAT・HOWで目的を明確にすることから始めていきましょう。

自分を会社と見立てて自己分析をする

今の時代変化が激しく、昔のような終身雇用が当たり前でなくなっている時代だからこそ、 会社に依存することなく、自分のキャリアを自立的に形成する考え方が重要です。

だからこそ、自分を自分株式会社(アイカンパニー)の経営者と見立てて、 アイカンパニーを優良企業・人気企業に育んでいくという捉え方をしてみると様々な気付きを得ることができます。

 

 

例えば、WILL/CAN/MUSTの分析は、3C分析に近い分析になっています。

WILLは、3Cの自社の経営理念にあたり、「大切な価値観・こだわりはなにか?」を明確にする、 ブラッシュアップしていく必要があります。

CANは、3Cの自社と競合につながり、「自分が(競合/他者と比較して)強みや資産は何か?」 を明確にする必要があります。この際の資産として「経験資産」「知的資産」「人脈資産」などが あります。この資産を増やしていくという視点も大切にしたいですね。

MUSTは、3Cの顧客にあたり、「自分の顧客から期待されていることは何か?」ということ を明確にする必要があります。ここでいう顧客は、取引先などはわかりやすいですがそれだけでなく、 上司や同僚なども含まれ、価値交換を行うすべての相手を指します。

例えば、上司からは「自分の成長や成果を最大化するための時間や知識」をもらう代わりに 「組織や上司への貢献」という価値を提供します。

 

また、SWOT分析で言えば、自分の置かれている外部環境変化の中で 自分が必要とされる/価値発揮をし続けるための戦略を考えるのに使えます。

Strength、Weaknessは強みと弱みなので割愛しますが、 Opportunity(機会)は、自分の置かれている環境において追い風になり得る外部変化を指します。 部活に属している個人で言えば、先輩の引退、新たなコーチの参画などが機会にあたり、

後輩育成に自分の強みがあるなら後輩の入部、SNS活用の知識を強みとするならコロナ禍でSNS新歓が主流になることが機会になり得ます。

Threat(脅威)で言えば、自分の置かれている環境において逆風になり得る外部変化を指します。 部活で言えば、高校で選抜に選ばれていた後輩の入部や、怪我のリスクなどがあたります。 部の戦略方針の変更などは自分の強みとハマらないリスクなどから該当する可能性があり得ます。

これらによって自分の強みや弱みを活かすためにどのような機会をチャンスととらえ、 どのような機会を脅威と捉えればよいのか?などの自分の活動方針が明確化されます。

その他VRIO分析で自分の強みを見直すこともできるでしょうし、 STP分析で自分がどのようなポジショニングで選ばれる努力をするか?を考えることもできます。

自分の強みや弱みなどを分析する際に手詰まりを起こしたりしたときは、 一度企業の分析フレームなどを自分に当てはめると…?と考えることで新たな気付きが得られるので、 是非試してみてください!

(思考を整理するフレームワークに関連する記事はこちらから:https://www.link-i.co.jp/post/articles/244/

自己分析は自分を活かすための「キャリア戦略」

自己分析は、就職活動のために行うのではなく、 自分を社会や所属組織で「何者として」「何を目指して」活動するか? を意思決定し、自分を活かすためのキャリア戦略を考えるために行います。

優良なアイカンパニーを経営する経営者になっていくために、ぜひ目的から問い、自己分析と向き合ってください!

 

★現在開催中のリンク・アイ主催のイベントはコチラ:https://www.link-i.co.jp/seminar/

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