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企業との出会いの第一歩を科学しよう~ESは企業へのメッセージを込める~

企業との出会いの第一歩を科学しよう~ESは企業へのメッセージを込める~

夏のインターンシップ解禁後や3月の選考解禁等、就職活動をする際に最初に向き合う壁が「エントリーシート(ES)」です。


企業によって様々な形があり、Web上で提出したり紙で書いたり、最近ではオープンES等、効率化して一気に送る仕組みなどもあります。
選考の最初に取り組むエントリーシートは、受ける企業分書かなくてはなりません。
その分、「面倒だな、、、」と感じた事のある人も少なくないのではないでしょうか。
逆に、「こんなたくさんのエントリーシート、本当に人事は見てるのか?」と思ったこともあるのではないでしょうか?
特に人気企業であれば、一度の選考に何百、何千というエントリーシートが届きます。
その中で人事の目を引くには、いいESだと思われるためには何が必要なのでしょうか。


本記事では、
・人事はESの何を見ているのか
・ESを書くときに外してはいけない考え方とは何か
・実際にどうやって書くべきなのか
について掘り下げていきます。
読んだ後には今までよりも大きく質の違うESがかける事を願っています。

実はほとんど読まれていない?
そもそもESはなんのために書くのか

冒頭でもお伝えしたように、人気企業には常に何百、何千というESが届きます。
当たり前ですが、その一つ一つの全てに目を通して吟味していたら時間がいくらあっても足りません。
であれば逆に、何故企業は学生にESを書かせるのでしょうか。


一般にESの目的は選考序盤において粗く振るいかけを行いその後のフローに進む学生を選抜することです。その際の判断軸として企業は「最低限の能力と常識を持っているか」を重要視します。
その水準は企業によって異なりますが、
ここでいう「最低限の能力と常識」とは、
【分かりやすく・簡潔に・誰にでも・魅力が伝えられる・能力】
言い換えれば「読み手に不要なストレスをかけない」コミュニケーションを設計できるか、
という事だと思ってください。

直接話せたらもっと伝えられるのに、、、
ESが落ちてしまった方々あの中には、こういった葛藤を持った人もいるのではないでしょうか。しかしこれも言い換えてしまえば、
”自分のメッセージが一番伝わる伝え方を理解できていない”が為に感じてしまうものです。

ノンバーバルに頼らず、言葉だけで自分の魅力やポイントを的確に伝える事が出来るのか。
ESを見る際に人事が最も重要視する観点はここです。
要は、何も難しいことを書く必要はなくいかにスムーズに相手にメッセージを伝えられるかだけを考えればいいのです。

 

では、具体的に「読み手に不要なストレスをかける」ESの特徴とはどのようなものなのでしょうか。以下ではそのような「読み手に不要なストレスをかける」ESの4大典型症状のパターン毎に原因と対策を述べます。

1. 何を言いたいのか結論がない・わからない
2. 常になぜと疑問が生じる
3. 内容があまりに薄い・他と変わらない
4. そもそも必要条件としての文書ルールが欠けている

書かれてしまえば当たり前と思うかもしれませんが、
逆にここさえ乗り越えてしまえばエントリーシートで躓く事は格段に減ります。

外してはいけないエントリーシートの鉄則
~脱・抽象的志望動機・自己PR~

「人と接する仕事がしたいので人材に行きたい」
「日々、人と接して居たいのでマスコミを志望します」
「子供の頃から人と接するのが大好きなのでCAになりたいと考えています」

おそらくこれを読んでくれているあなたにも思い当たる節があるかもしれないぐらい、汎用性のある言葉です。

しかし例えば、「人と接しない仕事」などあるのでしょうか?
他にも例を挙げると
「課題解決に面白さを感じるからコンサルに行きたい」
「自ら新しい価値を創りたいからITに行きたい/新規事業開発がしたい」など、、、

 

これらの文言に共通しているのは、「理由が抽象的である」という事です。
人材、マスコミ以外にも人と接する仕事はありますし、何も課題解決をするのはコンサルティング企業だけではありません。
もちろん、そこを志望する理由の一助にはなります。

しかし、「他の業界、業種ではない」理由にはなっていない事がとても大事です。
抽象的なままの理由だと人事は「本当にうちを志望しているのか」「他でもいいんじゃないか」と勘ぐってしまい、ESを突破する事が非常に難しくなってしまいます。

 

そうならない為にも、志望する理由をなるべく具体化して上げる事がとても重要です。
例えば「人と接したい」という先ほどの理由であれば、
「誰と」「どんな風に」「どの程度」「どんな方法で」接していきたいのかを言葉にすることで、他業界ではなくそこでなくてはいけない理由が見えてくると思います。

自己PR

上の段落で、志望動機には「具体化」が重要だとお伝えしました。
その一方で、志望動機と同じくらい頭を悩ませるのが「自己PR」です。
ガクチカ、自己PR、熱中経験、、、
様々な言葉がありますが、要は「あなたの魅力を分かりやすく教えてください」という問いです。

例えば、こんな自己PRを書いた、話した経験はないでしょうか。

「積極性」「前向き」「好奇心旺盛」「粘り強い」「負けず嫌い」「責任感」

多くの学生がこのような言葉を多用しています。
ちなみに、こちらの言葉たちがダメだ、と言っているのではありません。
ポイントは「なぜ、そのような強みがあると自分で思ったのか」とか「どういうエピソードがそれを証明するのか」といった、「背景」です。
ここが正しく伝わらないと、人事の目からは「よくある強みをそれらしく述べて終わった人」という印象で終わってしまいます。

 

そこを抜け出すにはどうすればいいのか、
答えは、「過去経験との強い接続」「差別化」です。

「過去経験との強い接続」については、「そもそも自分の過去から適切に導き出された強みなのか」という点です。当たり前のことですが、過去と一切のつながりがない強みはPRとしては非常に心もとないです。

自らの過去経験、もっと言えば、「自ら強い意思をもって取り組んだ経験」の中で発見できた気づきであればより強いPRになると思います。
「差別化」という点については、先ほどもお話しましたが、多くの学生が使ってる言葉を使っているだけでは人事の目に留まりません。
人事に、「何か違うな」と思わせるところがスタートであり、同時にゴールです。

とはいえ、一般的な小中高、大学生活を歩んできた方々であると、取り組んできたこと(部活、学生団体、サークル、留学など)自体では正直あまり差別化はできません。

 

ここで差別化をするポイントになるのが、「取り組んだ背景の感情」です。
・なぜそれに取り組もうと思ったのか
・何故続けようと思ったのか
・なぜそこまでコミットできたのか
こういった事実の裏にある感情に一人一人のオンリーワン性がとても強く出ます。
だからこそ、差別化をする為には、その事実の裏にあったはずの「感情」を適切に表現してあげる事で、他学生と大きく差をつける事が出来ます。

理想のESの構造とは?
~初めて読む人が一度で情報をインプットできる書き方~

ここまで、前提となるESの意味と、書く上での書き方をお伝えしてきました。
最後に、具体的にどういう流れで書いていくべきかお伝えしていきます。

 

しばしば「結論ファースト」という言葉を聞く事があります。
これ自体は非常に大切です。しかし、結論が先に来ていればあとは何でもいい、というわけでもありません。
ESを書く上では、二つのフレームを用いられることが多いです。

①伝えるべきことだけを簡潔に抜き切った「PREP」

P=Point(結論)
R=Reason(理由)
E=Example(事例、具体例)
P=Point(結論を繰り返す)

最初に結論を伝え、次にその理由を説明、例で理由を補強し、最後に結論を再度提示するという順番です。一番大事な点は、「結論を最初に述べること」です。

「私は、バナナが好きである」という結論を簡易な例として紹介すると。
結論:私はバナナが好きです
理由:美味しいことに加えて、身体にも良いからです
例:朝食に食べられたり、隙間時間にバナナジュースとして食べることもできるので、毎日欠かさずに食べられ健康促進に繋がります。
結論:そのため、私はバナナが好きです

強みを端的に述べる時などに非常に有用なフレームワークです。

②より細やかに描写をしながら伝える「STAGE」

Situation…状況
Trouble…困難
Action…具体的な行動
Goal…結果
Epilogue…学び

細かくお伝えすると、この前に結論を置いてからこのSTAGEを用いて書く、という形です。
自分が実際にどういった環境でどんなことに取り組んでどんな成果をあげたのかといった、
「ガクチカ」「熱中経験」を伝える時に非常に使える手です。

多くの学生が、結果を伝える事や、実際のactionを細かく伝える事に文字数を取られ過ぎてしまいます。
そうではなく、しっかりと状況や困難、そこからの学びもバランスよく盛り込むことで、より人事に自分がやってきたことを鮮明にイメージさせることが出来ます。

上記のフレームを、上述した「具体化」「事実だけではなくて感情も伝える」事を意識しながら書く事で、ESの質を格段に変える事が出来ます。

更にESの質を高める為に

ここまで、ESを書く上で大事な前提、考え方、テクニックについてお伝えしてきました。
とはいえ、あくまで正解は企業によって異なります。

一つマスターすれば無的になれる、という様な魔法ではありません。
その為にも、常にFBを貰いながら修正し、場数を踏むことがとても重要です。

主観だけでなく客観的なアドバイスを元にプラッシュアップしていきましょう!

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