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自分のWILLを知る自己分析の方法~自分の本当の「理想」や「価値観」を知ろう!~

自分のWILLを知る自己分析の方法~自分の本当の「理想」や「価値観」を知ろう!~

就職活動の中でよく「WILL(理想や価値観)が大事だ」と言われますが、
自分の本当のWILLを見つけるのは難しいです。
「WILLが無い訳ではないんだけど何となくピンと来ていない・・・」というのが
率直な感覚ではないでしょうか。

理想、意志、価値観というものは、心理的メカニズムによって意図しない変化が生まれます。
その心理的メカニズムに基づいた自分の本当の「理想」や「価値観」を明らかにするための自己分析方法を紹介をしていきます。

人は気づかぬうちに本当のWILLを諦め、正当化する

みなさん、心理学者レオン・フェスティンガー氏の提唱する認知的不協和理論というものをご存じでしょうか?

認知的不協和理論とは、
「自分の考えと行動が矛盾したときに感じる不安を解消するため、考えを変更することにより行動を正当化する心理現象」
と定義されています。

 

イソップ物語の「きつねとぶどう」の話を例にお話をすると、
「きつねとぶどう」の話は、
「何日も食事ができていない狐が高いところに生えているブドウを頑張って手に入れようとするも手に入れられず、最終的に『どうせあのぶどうは、酸っぱいに決まっている』と決めつけて、取ることを諦める話」
です。

この話は、「手に入れたいが諦める」という気持ちと行動の矛盾(=認知的不協和)を解消するために
「そもそもあのぶどうはすっぱいはずだ。」と自分の認知を変えることで、
「行動を諦めることを正当化」していることを表した話です。

誰しも最初は、「手に入れたい」という意志や理想に対して、理想を叶えるための努力をします。
ただ理想の遠さを体感する中で、諦めの感情を抱き始め行動が続けられなくなります。

その際に「手に入れたいのに手に入れる努力を続けられない自分への不快感(=認知的不協和)」を解消するために、
自分の認知を変え、「手に入れたくない」と考えを改めることで、
「手に入れたいのに手に入れる努力ができない自分」を正当化してしまいます。

これは認知的不協和の理論、イソップ物語をもとにすっぱいブドウ理論といわれます。

また、類似の話で甘いレモンの理論というものもあります。
酸っぱいブドウが、手に入らないものを不要なものだと認知を変えることで、理想を諦めることを正当化することを指し、
甘いレモンは、簡単に手に入ったものを良いものだと認知を変えることで、理想を諦めることを正当化することを指して使われます。

 

どちらにせよ、手に入れたいものを手に入れられないと理想を諦める時に自分の認知を変え、
理想や意志を改めることで、心理的な負担を軽減するという特性があるということです。

だからこそWILL(理想や意志、価値観)を明らかにする難易度は高いのだと思います。
自分が諦めたことや正当化していることと向き合わなければいけず、
自分の意志の弱さと向き合う感覚を持ってしまい、後回しにしたくなるのだと思います。

ただ、ポイントはこれは自己防衛のために人間に授けられた心理現象であり、
たとえどんなに強い人であっても大なり小なり、このような現象が起きるということを知ったうえで自分のWILL向き合うことが大事だということです。

本当のWILLを知り、自分への期待を創るための自己分析

ここから認知的不協和が働いてしまうという前提での自己分析の手法をご紹介します。

過去の経験を振り返り、それを材料に自分の理想や意志、価値観を明らかにしていくのですが、何かしらもっと手に入れたいものがあったのではないかという前提で向き合うことが重要です。

「諦めたことはない」「あれは満点だった」という正当化を本当にしていないか?
という懐疑の目をもってやってみることで気づきが生まれると思います。
(それをした上でそのようなことが無いのであれば、それは素晴らしいことです。)

 

さて、先ほどの「すっぱいブドウ」と「甘いレモン」の話から、
あまい=手に入れることで満足する
すっぱい=手に入れないことで満足する
ぶどう=価値がある(と自分が認識している)モノ
れもん=価値がない(と自分が認識している)モノ
と捉えると下記のようなマトリクスができます。

 

 

そのうえで諦めと正当化のストーリーを言葉にすると
『価値があるモノを手に入れて満足することを目指していた(あまいぶどう)が手に入らない現実から、
手に入れたいモノに価値がないと認識することで
手に入らなくてもよいと考える(すっぱいぶどう)ようになり、
手に入っているものないしは手に入りやすい価値がないと思っていたもの(すっぱいれもん)の
価値が相対的に上がり、価値観を改め、それらは手に入れたかった
価値あるものだと思うことで(あまいれもん)現状に対する満足を作り出す。』

ポイントは、自分の価値観を変えることで、満足を作り出している点にあります。
WILLというのは理想や意志、大切にしたい価値観が当てはまりますが、そのいずれもが変化するのがこのメカニズムの特徴です。

自分が大切にしたかったものというのは、こういった変化の中で分からなくなるからこそ、
このストーリーを認識することで自分の価値観や理想の種に気づくことができると思います。

ぜひ、上記のフレームと質問集をもとに、
自分の成功経験、熱中経験、挫折経験、後悔経験などを振り返ってみましょう。
現状や最終結果を一度「あまいれもんではないか?」と疑うことからスタートし、
すっぱいれもん、すっぱいぶどうと時系列で遡りながら自分の価値観の変化と向き合い、
最終的に本当のWILLであるあまいぶどうにリーチしていくことがポイントになります。

いくつかの経験のストーリーを明らかにしたうえで
自分のキャリアに対しての考えについても同じように、自分が本当は価値があると信じたいものはなにか?
を考えてみてください!

誰しもWILLを諦め、自分を正当化する弱さがある。

実際にやってみると誰にも見られていないにもかかわらず
「そんなことない」と思うなど抵抗感が生まれると思います。

 

筆者自身、過去に「苦しみを共有することによる勝ちに価値がある」
と思い込んで仲間を傷つけたことがあります。
仲間を苦しめているという現状を正当化してしまっていたことを認めるのには時間が必要でした。

ただその正当化を認めたときに、仲間の個性を活かし合い、
理想の高さに勇気を与えあえる関係の先に想定外な未来を創ることが自分にとって
大事なものだったことを思い出せました。

それからはまず傷つけてしまっている仲間に謝罪をし、
自分に思っていることを全員から伝えてもらい、そして一つ一つ全部変える努力をすることから始めました。
それによって変化の連鎖が生まれ、組織として大きく変わり、過去にない成果と仲間の成長が生まれました。

正当化していることを認めると、「なぜ正当化するようになったのか?」「何を諦めたのか?」
が見え、自分が本当に大切にしたい価値観(WILL)に気づけます。
そして勇気を出して、WILLを大切にすることができると自分へ期待を掛け、
何か一つでもいいので怖さを感じるような殻を破る挑戦をしてください。

誰しも自分の心を守ろうとする健全な仕組みがあり、それにより自分を正当化してしまいます。
そんな自分を過度に責めすぎず、是非本当の自分の声と理想に向き合い、自分に期待を掛けてほしいと思います。

 

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