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「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助から学ぶ意思決定

「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助から学ぶ意思決定

パナソニックホールディングスを一代で築き上げた経営者であり、
経営の神様として、多くのビジネスパーソンのお手本となっている「松下幸之助」。

「松下幸之助」にまつわる書籍はいくつも出版されていますが、
それらの書籍には経営に対する深い思想・哲学が多く眠っています。

今回は「松下幸之助」のエピソードをいくつかご紹介しながら、
社会での活躍を見据えた「意思決定」についてお話していきます。

「松下幸之助」の人生

松下幸之助は、1894年に和歌山県で八人兄弟の末っ子として生まれました。
父の事業の失敗で家系が貧しくなり、小学校を4年で中退、
火鉢屋、自転車屋での仕事を経て、大阪電灯の工事担当となりましたが、
その後22歳で独立し、松下電器製作所(現:パナソニックホールディングス)を開設しています。

松下幸之助は、「事業部制」や「週休二日制」を日本でいち早く取り入れ、
経営のスタンダードとしたとされています。

また、オランダのフィリップス社との事業提携の際には、フィリップス社側に技術提携料を支払う代わりに、フィリップス社から経営指導料をもらうよう主張し、
技術が社会的な価値の源泉であるのと同様に、経営も社会的な価値の源泉であることを主張したことでも知られている人物です。

「松下幸之助」から学ぶ意思決定の哲学

松下幸之助にまつわるエピソードは様々ありますが、
その中でも経営の捉え方の中から、意思決定につながるエピソードをお伝えします。

経営の最終目的を利益としていない

松下幸之助は、利益へのこだわりを持っていますが、それを最終の目的とはとらえていません。
利益よりももっと大切な社会的な使命をを果たすことが大事だと考えており、
その使命に気づいた日を会社の創業記念日としています。

松下幸之助が気づいた使命は、「この世の貧しさを克服すること」です。
松下幸之助著『夢を育てる』には、以下のように書かれています。
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一体生産者の使命はなんだろう、こんなことを連日夜遅くまで考えた結果、私なりに一つの信念が生まれた。
それは簡単にいうと、この世の貧しさを克服することである。
社会主義者みたいなことをいうようだが、たとえば水道の水はもとより価のあるものだ。
しかし道端の水を人が飲んでも誰もとがめない。これは水が豊富だからだ。
結局生産者はこの世に物資を満たし、不自由をなくするのが務めではないか。
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こういった社会的な使命感を持っていたことから、
その後、過疎地域の人口流出の話を聞いて、
その解決策を講じる意思決定をしたエピソードもあります。

工場を立てる際には経済性のみを重視していたところから、
経済性が多少劣ったとしても過疎地域に工場を立てて、
若い人たちに郷土で働ける機会を与えるようにしたのです。

これは、皆さんが社会で働く上でも同じことが言えるのではないでしょうか。
自分の得られる利益のみを働く目的にするのではなく、
自分自身が社会でどんな使命を果たすか?ということを考えることが重要なのではないかと思います。

「松下幸之助」から学ぶ意思決定を正解にする覚悟

経営の神様と言われる松下幸之助も、
意思決定の際に確信をもって意思決定できていたかというとそんなことはありません。

日本の経済が不況のどん底だったときに、『週休二日制』を導入した際もそうでした。
様々な葛藤の中で実施を意思決定し、幹部社員に向けて以下のように呼び掛けています。

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これは相当の規模の会社では、初めての試みであり、世間からも注目されています。
いろいろ考えてみますと、松下電器全体としては、まだ週五日制に入る十分な体制が整わない半ばで、
実施の時がきたという感が強いのです。
ですから、きょう五日制に入ったことが誤りであったと言われないために、
引き続き相当の努力を要すると考えています。
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確信をもって意思決定をできることはそうありません。
また、一度意思決定をしたら終わりではありません。
正解の意思決定があるのではなく、
自分の意思決定を正解にする努力が必要です。

そういった覚悟を持てる意思決定ができるように、
自分自身の使命を明確にすることが大切です。

最後に

今回は、経営の神様と呼ばれる「松下幸之助」のエピソードをご紹介し、
意思決定の哲学についてお話ししました。

『使命を持つ』と聞くと、
非常に大それたことだと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
そんなに高尚に考える必要はありません。
世の中の社会課題だけではなく、
自分が「何をしたいか」、「どうありたいか」ということを考えて、
それを社会と結び付けて意思決定できるようにすることが重要なのではないでしょうか。

みなさんが、自分自身の使命を胸に、社会に羽ばたいていけることを願っております。

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